スペースがなくても崩せる
ウルグアイは堅守速攻が伝統。U-20もそこは変わらない印象である。抜け目なく2点を奪い、落ち着いた守備によって無失点で切り抜けている。
ただ、日本にもチャンスはあった。久保から岩崎へのスルーパスに表れていたように、見えているものが違う選手がいて、守備のわずかな隙をつくことができる。むしろ、この試合ではビルドアップに安定感がなかった。メンバーを入れ替えた影響か、あるいは単純にウルグアイの守備力が南アフリカと違うのか、今ひとつスムーズにハーフウェイラインを越えられていなかった。
しかし、そのためにウルグアイが前がかりになって、後半はかえって裏をつけるようになっていた。決定力不足だったかもしれないが、決定機不足ではない。久保と堂安のヘディングが決まっていれば2点とれていた。
ハイプレスは上手くやれていてウルグアイのミスも引き出せていた。リトリートしたときには問題はあるが、押し込めていれば良いプレーはできる。2戦を踏まえて、イタリア戦ではもう一段ギアを上げてほしい。
(文:西部謙司)
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