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【U20】イ・スンウの衝撃。W杯16強進出の韓国、アルゼンチン戦で得た2つの新たな力

text by キム・ドンヒョン photo by Getty Images

韓国代表が体得した2つの力。最高の流れでイングランド戦へ

イ・スンウ
アルゼンチン戦後半は守備でも体を張った【写真:Getty Images】

 3トップの左サイドで出場したイ・スンウは、本来なら守備ではあまり躍動しない。どちらかというと前線でエネルギーを温存し、攻撃にすべての力を注ぐタイプ。親善試合などでもそういったやり方を貫いてきた。

 しかしこの試合で彼は何度も何度も韓国陣内まで下がり、スライディングタックルを試みたり、中央でゲームメイクに関わったり、試合のリズムを整えるような、普段見せないプレーで拍手を誘った。

 これは後半、韓国が置かれた状況とも関係がある。

 アルゼンチンは後半開始直後、巻き返しを図り1点差に迫るゴールを決めてから、試合が終わるまで主導権を握って一方的な波状攻撃を繰り広げた。韓国はこの猛攻を防ぎ、力を振り絞り、勝利を収めた。イ・スンウが守備でも体を張らなければならないほどの攻撃だった。そういう意味でイ・スンウを含む韓国の選手たちが“耐える力”を体得したのは、今後に向けてかなりポジティブな要素だろう。

 というのも、この世代はここまであまり苦戦したことがなかった。ほとんどの練習試合で勝利し、試合内容でも勝っていた。このため耐える時間帯への経験のなさが不安要素として指摘されていた。そのため、アルゼンチン相手に苦戦しながらも勝ちきれたことは、選手たちにとっていい経験であり、そして成長の糧となるに違いない。

 イ・スンウの献身とチーム全体の耐える力、アルゼンチン戦勝利は2つの意味で重要だった。

 韓国は24日、全州でリカバリートレーニングをした後、午後にイングランドとのグループステージ最終戦が行われる水原へ移動する。余裕ができた3戦目で、アルゼンチン戦から得たものをどう活用し、戦っていくのかが注目ポイントとなりそうだ。

(取材・文:キム・ドンヒョン【全州】)

【了】

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