組織でクレバーに守る。DF陣の連携が試される時
左ウィングのスキアパカッセに対しても同様の対応が求められる、彼の場合は味方がボールを奪った瞬間から中央付近でボールを受けることも多く、最初からボランチやCBが1対1に近い対応を強いられるシーンも多くなるだろう。右SBは南アフリカ戦の初瀬亮に代わり藤谷壮の先発が予想される。
藤谷はスピードを生かした粘り強い守備を身上とするだけに、一瞬の動き出しからボールを受けて危険なシュートに持ち込むスキアパカッセのマークにはうってつけの選手だ。ただ、スキアパカッセは99年生まれの“飛び級”選手でありながらフィジカルの強さはU-20の水準を超えており、覚悟を持って当たっていかないと潰し切れないばかりか、弾き飛ばされて決定的なプレーに持ち込まれてしまうので要注意だろう。
ウルグアイは大柄なホアキン・アルダイスが中央のFWをつとめるため、CBの中山雄太と冨安健洋は彼にポストプレーをさせない守備が基本になるが、デ・ラ・クルスとスキアパカッセがオフ・ザ・ボールの動きで中央に流れてきた時にはそこで潰しにいく仕事も生じる。そこで意識するのは早いタイミングで来るミドルシュートの対応だ。
「やっぱりシュートがあるというのは海外ならではですし、日本だったらあそこで打ってこないというのもあるんですけど、ファーストディフェンダーは絶対に決めたいと思いますし、そこが決まってないで自分たちがつりだされたりすると南ア戦の1点目みたいになってしまう」
そう語る中山は必要に応じて個の“デュエル”で潰すことも意識に置きながら、ファーストディフェンダーを明確にして、組織でクレバーにやり切る意識を強めているようだ。その意味でボランチやCBにとっては左右のウィングよりもベンタンクールの対応が難しくなるかもしれない。中盤のインサイドハーフとして幅広くボールを捌きながら、アタッカー顔負けの高速ドリブルでバイタルエリアまで侵入しては危険なパスや強烈なシュートに持ち込む。