「(久保は)周りにいい刺激を与えてますね」(杉岡)
21日に行われた2017 U-20ワールドカップ初戦・南アフリカ戦(韓国・水原)を2-1で逆転勝利し、好スタートを切った日本代表。激闘から一夜明けた22日は、午前10時から1時間程度の軽いトレーニングを実施した。
当初は小川航基(磐田)、堂安律(G大阪)ら前日の先発メンバー11人が室内調整し、それ以外は全員グランドに出てくる予定だった。が、59分からピッチに立った15歳の久保建英(FC東京U-18)も疲労を考慮され、前者に合流。報道陣の前には姿を現さなかった。
このため、この日の練習参加者は波多野豪(FC東京)、山口瑠伊(ロリアン)、杉岡大暉(湘南)、原輝綺(新潟)、藤谷壮(神戸)、遠藤渓太(横浜)、市丸瑞希、高木彰人(ともにG大阪)、田川享介(鳥栖)の9人。彼らは内山篤監督の指示の下、ランニングや4角形のボール回し、狭いグリッドでの3対2、ピッチの3分の2を使った3対3+GK、シュート練習などを入念にこなした。
前日の試合後、「Jリーグとは比較にならないほど疲れが来た」と冨安健洋(福岡)が疲労感を色濃くにじませたように、先発組の消耗度は非常に激しいはず。24日の次戦・ウルグアイ戦(水原)も含め連続フル稼働し続けるのは厳しいだろう。
となると、控え選手たちの底上げが必要不可欠になってくる。冨安と中山雄太(柏)の両センターバックが尻上がりに調子を上げ、ミスを取り戻す姿をベンチから見ていた杉岡も「試合のイメージはできてますし、ホントに早く試合に出たい」と出場チャンス到来を熱望していた。
その杉岡は15歳の久保に先を越されたことに悔しさを感じている様子だった。
「ポジションは違えど、天才と言われようとも、年下に先に(世界大会に)出られるのはなんか悔しさがありますね。建英がいることで前の選手たちはもっとやんなきゃって思ってますし、周りにいい刺激を与えてますね」と彼はしみじみ語っていた。
それは控え組全員に共通する気持ちに違いない。久保がやれるなら自分たちもやれるはず……。若武者の目覚ましい活躍でチーム内の競争意識が日に日に高まっていくのは、今回の日本代表、そして日本サッカー界全体にとって前向きな要素と言っていい。