初戦で知った、世界で戦う厳しさと怖さ
板倉を含め、U-20日本代表の選手たちはW杯のような大きな国際大会は初めての経験。南アフリカも後半開始早々に失点したことで再び前がかりになり、日本が押し込まれる時間帯もあった。序盤の固さも気になった。
だが、板倉は南アフリカ戦で世界を知った。
「1戦目を戦って怖さがわかった。中盤で簡単なミスをしたら1本でやられますし、そういうところは本当に1プレーごとに気を使ってやらなければいけない。相手が自分たちより速くて強い分、それ以上に速く準備して、ポジション取りしなければいけないと気づいた。まだまだ遅い部分があるので、それは次の試合で意識していきたい」
世界の舞台はJリーグやACLとも違う。とにかく日本よりも速くて強いチームばかりで、ちょっとした判断の遅れや迷い、技術的なミスが失点に直結する。板倉はその1点の重みを南アフリカ戦で痛感した。
それでもプロ3年目の20歳は、ボランチで勝負したいと考えているはずだ。以前板倉にセンターバックかボランチ、どちらが好みか問うたところ「自分としてはボランチで…」と答えていたことを記憶している。
世界を知った“ボランチ”板倉は言う。
「フロンターレでも結構ボランチをやっていることが多いので、そこで勝負したい気持ちはある。まだまだスキがあったり、ミスしているところはあるので、本当に全部、自分が真ん中で潰せるくらいの存在感や迫力を持てる選手になりたい」
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