「1-0で我慢してくれたからこそ、逆転勝ちまで持って行けた」(内山監督)
彼を筆頭に守備陣が1つのミスをズルズルと引っ張らず、短時間で切り替えて、失点1でとどめたことも大きな収穫だ。
内山監督も「このチームは親善試合でも1点食らったら2点3点と立て続けに失点して自分たちでゲームを難しくする傾向が強かったが、今日は1-0で我慢してくれた。だからこそ、逆転勝ちまで持って行けた。この経験がこれからのサッカー人生に役立つと思う」と嬉しそうにコメントしていたが、彼らが後半のようなパフォーマンスを維持してくれれば、今大会での上位躍進への道も開けてくるはずだ。
「非常に大きな勝ち点3を持って、次の試合に気持ちよくのぞめると思います」と久保は話したが、24日の次戦・ウルグアイ戦に連勝できれば、1次リーグ突破が決まる可能性が高い。
ウルグアイもイタリアを1-0で下して勢いに乗っており、日本に対しても凄まじい迫力で対峙してくるだろう。相手のフィジカルコンタクトの強さを考えると、久保の先発抜擢の確率は低いかもしれないが、本人が「ここに呼ばれている以上、頭から出たいのは当然」と語気を強めたように、貪欲にスタメンの座を取りに行くはず。
そういう競争意識の高まりも、チームに前向きな変化をもたらすだろう。南ア戦で得た攻守両面の収穫をこの先に生かして、選手たちには完成度、成熟度を高めて行ってほしいものだ。
(取材・文:元川悦子【水原】)
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