決定機演出した久保。個の力で守備組織支えた板倉
攻め合いの様相、どちらも決定機を外した後、堂安と久保のコンビネーションから堂安が逆転ゴールを決める。これが決勝点になった。左から中央へボールが動く中、移動するDFの隙間で久保がフリーになった瞬間を見逃さず、堂安から絶妙のワンタッチパスが出た。フリーになった久保は冷静にプルバックしてフリーの堂安が決めている。
15歳でこのチームに招集された久保は、フリーなときは能力を発揮した。プレッシャーがかかるとボールタッチをミスすることもあり、守備ではあまり戦力になっていない。ただ、決定的なプレーを作れる能力があり、この試合では重要な場面でそれを発揮した。
攻撃のタレントが豊富な一方、守備は南アフリカのパスワークと突破力に苦しんだ。冨安のぎりぎりのところでの体を張ったディフェンスが光っていた。個人的にMOMを選ぶならボランチに起用された板倉かもしれない。
4-4-2で組織的に守っているものの、日本のオーガナイズはそれほど強固にはみえなかった。板倉のような球際に強い選手が中盤に必要で、個の力でチームの守備組織を支えていたと思う。
とはいえ、日本の強みは攻撃だ。ビルドアップが出来るだけでなく、狭いスペースでプレーできる三好、堂安、久保がいて、ゴールゲッターとして小川もいる。攻勢をとれているかぎりは良いプレーが期待できそうだ。
(文:西部謙司)
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