南アのキープレーヤーは9番と10番。欧州組の2人に注目
そこで日本が潰しておくべき南アフリカのキープレーヤーは誰か。アンドリュー記者は2人の名前を挙げた。10番のルーサー・シンと9番のリアム・ジョーダンが攻撃の中心になるという。本来はパカナミ・マランビという危険なアタッカーもいたそうだが、負傷で今大会を欠場している。
シンとジョーダンはともにヨーロッパでプレーしており、前者はポルトガル1部ブラガのBチーム、後者は同じくポルトガルの名門スポルティングCPのBチームに所属している。南アフリカの選手の中で数少ない海外組だ。
アンドリュー記者曰く「ルーサーは小柄だがスキルフルで、ゴール前で非常に危険なスコアラー」で、ジョーダンは「大柄でダイナミック、本当に危険」とのこと。U-20南アフリカ代表の練習を見たところ、かなり小柄な選手が多く、ジョーダンもそれほど大柄には見えなかった。
スポルティングCPのBチームではほとんど公式戦に絡めていないが、ヨーロッパでの経験は南アフリカに大きな自信をもたらすはず。ジョーダンを頼ってボールを集めてくるとなれば、日本のDF陣はその高さと強さを警戒しなければならない。
相手に高さがないとはいえ、日本はカウンター時のロングボールをケアし、セットプレーで優位に立つため身長186cmの板倉滉をボランチで起用する可能性が高い。ジョーダンにボールが渡る前に中盤でパスをカットできれば、南アフリカの勢いを削ぐことができる。
カウンターを警戒し、ボールを動かして主導権を握りたいの日本と、相手にボールを支配されることを恐れ、前線のスピードを活かすためにボールを持ちたい南アフリカ、互いに重要なグループステージ初戦は2つの異なるポゼッションサッカーが激突する興味深い一戦になりそうだ。
(取材・文:舩木渉【水原】)
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