エース小川にかかる期待。15歳久保の出番は?
久保建英は試合を流れを変えるため途中起用か【写真:舩木渉】
そのうえで、いかに点を取るかを考えていくべきだろう。堂安が「自分の特徴であるパスやドリブルで相手を翻弄できればいい」と野心をのぞかせたが、アタッカー陣がそれぞれのストロングポイントを出すことで、組織力で劣る相手守備陣を崩せるに違いない。
20日の韓国対ギニア戦を見ても、序盤こそ相手のフィジカル能力に苦しんでいた韓国だが、イ・スンウ(バルセロナ)の活躍によって最終的に3点をもぎ取っている。日本も小川の高さ、岩崎のスピード、堂安の打開力、三好の強烈な左足シュートと、それぞれの際立った部分が前面に押し出してゴールをこじ開けたいものだ。
とりわけ、得点の大きな期待がかかるのはエース・小川。前日練習でも流れの中のヘッドやリスタートからの飛び出しなど数多くの得点を挙げていたが、そのままの力を本番で出してくれれば問題ない。「自分が取らないといけないという責任は感じますし、絶対的存在感を出してかないといけない」と強い自覚を口にした。
この男が柳沢敦(現鹿島トップチームコーチ)、高原直泰(現沖縄SV)、平山相太(現仙台)といった歴代エースFWたちを超えられれば、日本の快進撃は約束される。2020年東京五輪、その後の日本代表にとっても朗報だ。ジュビロ磐田の名波浩監督から受けてきた英才教育の成果を今ここで発揮してほしい。
彼らFW陣の後ろに控えている15歳の久保建英(FC東京U-18)も十分に流れを変えられる存在だ。「(開催地)韓国のみなさんが少しでも楽しんでもらえるプレーをしたい」とチーム最年少と思えない余裕あるコメントを口にした彼だが、同じバルサ出身下部組織のイ・スンウの大活躍に刺激を受けた部分は少なからずあるだろう。
試合の流れに関わらず、彼の出番は確実に訪れる。そこで大きなインパクトを残せれば、2戦目以降のスタメン入りの道も開けてくる。そんな久保の一挙手一投足にも注目しながら、初戦の内容ある勝利を強く求めたい。
(取材・文:元川悦子【水原】)
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