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アジア 8年前

U20W杯初出場。メディアに叩かれ続けたベトナム代表、それでもファンが期待を寄せる理由

20日から韓国で開催されるU-20ワールドカップに出場するベトナム代表。FIFA主催大会への出場そのものが初めてとなるが、堅実で守備重視の戦術を好む指揮官のスタイルがメディアから批判され続けていたという。それでも現在のU-20ベトナム代表には将来有望な選手が揃っており、国民の期待値も高いようだ。(取材・文:宇佐美淳【ホーチミン】)

text by 宇佐美淳 photo by Getty Images

狙うは東南アジア勢初の勝ち点。“ベトナムのモウリーニョ”率いるアジアの新興勢力

ベトナム
ベトナムはU20ワールドカップに初出場する【写真:Getty Images】

 2017 FIFA U-20ワールドカップが韓国で5月20日に開幕する。日本では、FC東京U-18に所属する15歳の久保建英が飛び級で選出されて大きな話題となっているが、筆者が住むベトナムでもFIFA主催大会に自国が初出場するとあって、サッカーファンの間ではかなりの盛り上がりを見せている。

 アジアの新興勢力ベトナムは、昨年バーレーンで行われたAFC U-19選手権(兼U-20ワールドカップ予選)でベスト4に躍進。グループステージでは、初戦で前大会準優勝の北朝鮮2-1で下した後、中東の強豪UAE(1-1)とイラク(0-0)に引き分けて、グループ2位で決勝トーナメント進出。準々決勝では、地元バーレーンに1-0で勝利して史上初のU-20ワールドカップ出場を決めた。

 過去に東南アジアからU-20ワールドカップに出場した国は、インドネシアとミャンマーの2ヶ国のみ。このうち、日本で開催された1979年大会(当時はワールドユース)に出場したインドネシアは、クウェートが辞退したことによる繰り上げ出場。2015年大会に出場したミャンマーは、前年のAFC U-19選手権を自国開催しており、地の利を活かしての予選突破だった。そして、インドネシアもミャンマーもU-20ワールドカップでは、勝ち点をあげることができずに惨敗を喫している。

 今大会のベトナムには東南アジア勢初の勝ち点獲得、そして初勝利に期待がかかるが、指揮官が狙うのはあくまでもグループステージ突破だ。

 ベトナムを率いるのは、理論派として知られるホアン・アイン・トゥアン監督。ベトナム人でUEFAプロライセンスを持つ唯一の指導者で、そのサッカー哲学から国内では“ベトナムのモウリーニョ”、“三浦俊也の後継者”などと呼ばれている。ハードワークする選手を重用し、個人より組織重視で堅守速攻を好むことが由来のようだ。

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