狙うは東南アジア勢初の勝ち点。“ベトナムのモウリーニョ”率いるアジアの新興勢力
2017 FIFA U-20ワールドカップが韓国で5月20日に開幕する。日本では、FC東京U-18に所属する15歳の久保建英が飛び級で選出されて大きな話題となっているが、筆者が住むベトナムでもFIFA主催大会に自国が初出場するとあって、サッカーファンの間ではかなりの盛り上がりを見せている。
アジアの新興勢力ベトナムは、昨年バーレーンで行われたAFC U-19選手権(兼U-20ワールドカップ予選)でベスト4に躍進。グループステージでは、初戦で前大会準優勝の北朝鮮2-1で下した後、中東の強豪UAE(1-1)とイラク(0-0)に引き分けて、グループ2位で決勝トーナメント進出。準々決勝では、地元バーレーンに1-0で勝利して史上初のU-20ワールドカップ出場を決めた。
過去に東南アジアからU-20ワールドカップに出場した国は、インドネシアとミャンマーの2ヶ国のみ。このうち、日本で開催された1979年大会(当時はワールドユース)に出場したインドネシアは、クウェートが辞退したことによる繰り上げ出場。2015年大会に出場したミャンマーは、前年のAFC U-19選手権を自国開催しており、地の利を活かしての予選突破だった。そして、インドネシアもミャンマーもU-20ワールドカップでは、勝ち点をあげることができずに惨敗を喫している。
今大会のベトナムには東南アジア勢初の勝ち点獲得、そして初勝利に期待がかかるが、指揮官が狙うのはあくまでもグループステージ突破だ。
ベトナムを率いるのは、理論派として知られるホアン・アイン・トゥアン監督。ベトナム人でUEFAプロライセンスを持つ唯一の指導者で、そのサッカー哲学から国内では“ベトナムのモウリーニョ”、“三浦俊也の後継者”などと呼ばれている。ハードワークする選手を重用し、個人より組織重視で堅守速攻を好むことが由来のようだ。