「1対1の局面で試合に勝つか負けるかが決まる」
自分でも認めるように、舩木はもともと守備を苦手としている。効果的な攻撃参加と左足キックの精度が持ち味の攻撃的サイドバックとして同世代の中で高い評価を勝ち取ってきた。セレッソ大阪U-18の一員として出場していた昨年の高円宮杯U-18サッカーリーグ2016 プレミアリーグWESTではサイドバックながら、そして代表活動などによる離脱期間もありながら10ゴールを奪い、終盤戦まで得点王争いに絡んでいたほどだ。
ただ、南アフリカ戦で勝敗を握るのは守備に他ならない。「1対1の局面で勝つか負けるかで、試合に勝つか負けるかも決まってくると思う。相手はスピードに乗らせたら速いので、スピードに乗らせる前に潰すとか、先に予測してボールを奪うとか、そういうところに気をつけていければいいかなと思います」と、舩木は力強く語る。
とにかく南アフリカのサイドの選手のスピードを消し、タテに突破されないこと。18日の練習では1対1の局面を切り取ったメニューには長い時間が割かれていた。また、3対3や6対6のミニゲームでもピッチ内で数的優位・不利を作らないことで1対1で負けないことを意識したトレーニングが行われていた。
「いままでは失点に繋がっていなかったことも失点に繋がる、世界大会はそういうところです。それを詰めていかないと勝てないというのはアジア予選の時も思った。もう少し自分たちでリスクを管理して、コミュニケーションをとりながらやらなければいけないと思います」(舩木)
サッカーは11対11の競技だが、究極的には1対1で絶対に負けなければゴールを割られることはない。個と個のぶつかり合いが勝敗のカギを握る南アフリカ戦に向け、日本の選手たちは「1対1の局面で勝つか負けるか」をより強く意識するようになっている。