原輝綺はボランチで開幕デビュー。チーム事情によるコンバートも経験
開幕戦からダブルボランチの一角で先発に定着した原は、サガン鳥栖との第6節から左サイドバックに回っている。開幕5試合で9失点を喫し、特に左サイドの守備が崩壊状態なったための緊急措置に、原の守備力に対する信頼度の高さが伝わってくる。
「ボランチで最後にプレーしたガンバ大阪ではボールを上手く自分のところに呼び込めていたし、縦パスもどんどん入れられるようになっていた。ボランチで言えば、開幕戦と比べてちょっとずつですけど、プレーの幅が広がってきているのかな、という手応えはありました。
そういうなかで左サイドバックでしたけど、最初は戸惑うこともあったし、あまり目に見える変化というものはないのかなと。絶対的な実力があって試合に出ている、という感覚は自分のなかにないというか。使ってもらっているなかで、自分にできることをちょっとでも増やさないと」
謙遜を繰り返していた原だが、明確な足跡も刻んでいる。現時点でアルビレックスがあげた唯一の白星となる4月16日のヴァンフォーレ甲府戦で、前半11分にプロ初ゴールとなる先制点を決めたのは、左サイドバックに回って2試合目となる原だった。
迎えた今月2日。U-20ワールドカップのヒノキ舞台に臨むU-20日本代表メンバー21人のなかに、原だけでなく杉岡も名前を連ねた。PK戦の末に前橋育英(群馬)に苦杯をなめさせられ、無失点のまま大会を去った全国高校サッカー選手権2回戦の悪夢から、ちょうど4ヶ月がたっていた。
「自分はボーダーライン上にいる選手だと思っていたし、正直、選ばれるのは難しいのかなと。だからこそベルマーレで試合に出続けていることが評価されたと思っているし、その意味では僕の選択は間違っていなかった。ポジショニングを含めて、守備の部分で本当によく考えるようになったので」
運動量の多さとハードワークを前提として、そのうえで「考えること」を強く求める曹監督のもとで成長できたからだと、杉岡が吉報に笑顔を浮かべる。一方でミッドフィールダー登録となった原は、ボランチのレギュラー争いに参戦したいと誓いを立てる。
「代表ではポジションもやるべきことも違うと思うので、しっかりと頭を切り替えて、まずは試合に出られるように頑張りたい。守備でも攻撃でもすべての面でいまよりも幅を広げて、いろいろなものを吸収して新潟に帰ってきたい」