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金満PSGを上回り…モナコ、17季ぶりリーグ制覇。2部降格経て、圧巻の快進撃

text by 小川由紀子 photo by Getty Images

上位陣の中で断トツに薄い選手層。だが過密日程戦い抜く

チャンピオンズリーグでも印象的なパフォーマンスを披露した18歳FWキリアン・ムバッペ
チャンピオンズリーグでも印象的なパフォーマンスを披露した18歳FWキリアン・ムバッペ【写真:Getty Images】

 さらに彼らの優勝が特別だと思えるのにはいくつかの理由がある。

 一つ目は、欧州主要リーグの中でもダントツに多い試合数をこなしてきたこと。リーグ戦…38(現状は37)、フランス杯…5、リーグカップ…4、チャンピオンズリーグ予選…4、チャンピオンズリーグ本戦…12と、計63試合。

 3月下旬の国際マッチデー明けの4月1日のリーグカップ決勝戦から最終節の5月20日まで、彼らは例外なく週2戦のスケジュールをこなし、7週間で15試合を戦った。

 疲れのピークが見えたのは、ちょうどユベントスとCL準決勝を戦った頃だ。1stレグ4日前のリーグ戦、対トゥールーズ戦では運動量が売りの左SBメンディが大腿部に痛みを訴えて途中で退いたが、これは明らかに疲労性のものだった。おかげでメンディはユベントスとのホーム戦を欠場することになったが、彼の不在の影響は小さくなかった。

 加えてモナコは、リーグ上位陣の中でも断トツに選手層が薄い。レギュラー陣はほぼ出ずっぱりの状態で、交代要員は生え抜きの若手に頼るという状況も少なくなかった。

 ファルカオはシーズン序盤に負傷が続き、右SBのシディベは3月後半から体調を崩してほぼ一ヶ月間欠場、メンディも前述したように重要な試合に欠場することになったが、その他の中核選手であるGKスバシッチやバカヨコ、ムバッペ、ルマールらが過密スケジュールに耐えてほぼ毎試合出場できたことは、重要な生命線だった。

 また、シーズン序盤の調べでは、モナコは今季のリーグアンでニース、トゥールーズに次いで主力イレブンの平均年齢が低い、つまりは経験値の浅いチームだった。その彼らが、PSGの5連覇を退けたのはお見事と言うほかない。

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