攻守に芯を通す3人。洗練されたコンビネーション
この3人が揃うとレアルの攻守にたちまち芯が通る。今季のレアルはBBCのチームではない。カゼミーロ、クロース、モドリッチのエンジンルームが牽引してきた。これまでもいた3人だが、コンビネーションが洗練されている。年月がそうさせたのかもしれないが、ジダンが就任してからの大きな変化である。
78分にセビージャのビルドアップを引っかけてアセンシオからクロースへ、ペナルティーエリア内左へ侵入したクロースは迷わずロナウドの足下へプルバック、ロナウドがズバリと決めた。ゴール前の優先順位は決まっている。
84分にも同じような形からナチョのパスを今度はクロースがアウトサイドでコースを変える技ありのシュートで4点目。さらに87分にもアセンシオの絶好機があったがリコに防がれて5点目はならず。それでも余裕の4-1。
レアルはあと2試合で4ポイントとれば自力で優勝できる。マルセロ、ベンゼマ、イスコを休ませ、カゼミーロとモドリッチも勝負どころまで温存しての勝利。難敵セビージャを相手に、このジダン監督の落ち着き方は場馴れというものだろうか。
(文:西部謙司)
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