待たれる年長FWたちの覚醒。久保の存在が刺激に
ホンジュラス戦で小川と岩崎の2トップがある程度機能したため、南アフリカ戦は彼らがファーストチョイスになるだろう。その2人とは異なるタイプの久保がジョーカーとして周囲を驚かせるパフォーマンスを見せてくれる期待はより一層、高まってきた。
小川とは結局、約15分のプレーにとどまり、連携を深めるには至らなかったが、「(タケとやるのは)プラスだと思いますし、(岩崎)悠人とは違ったプレーヤーなので、コンビネーションがやりやすいし、やっていて楽しいのはありますね」と小川も前向きだった。スピードがあり、裏に抜けるプレーを得意とする岩崎と独特なリズム感を持つ久保をターゲットマンの小川がしっかりとコントロールしていけるか否か。そこが南アフリカ戦でゴールを奪う重要ポイントになってきそうだ。
ホンジュラス相手に守備陣がピリッとしなかったことから、攻撃陣にはこれまで以上の得点力が求められてくる。小川と似た特徴を持つ田川享介(鳥栖)を含めた前線4枚をどのように使い分けるのか。そこは内山監督の手腕の問われるところ。それがうまくいって初めて1次リーグ突破が現実となり、その先が見えてくる。
「やるからには高いところを狙っていきたいっていうのはずっと変わってない。チームというのが日本の特徴だと思うので、チームとしていいところまでいければなというのがあります。個人としてはピッチ内の自分に注目してほしい。できればドリブルとかを見てほしい」と虎視眈々と主役の座をつかもうとしている久保の一挙手一投足は大いに注目される。そして彼に刺激された年長FWたちの覚醒をぜひ見たい。
(取材・文:元川悦子)
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