磐田・名波監督が与えているミッション
大胆で、いい意味で怖いもの知らずのメンタリティは、世界と伍して戦う上で欠かせない。気持ちで負けていては、試合が始まる前に勝負は決まってしまう。
U-20W杯では、グループステージで南アフリカ、ウルグアイ、イタリアと対戦する。いずれも一筋縄ではいかない相手のはずで、すでに名前が知られているような選手もいる。劣勢を強いられることもあるだろう。だが、そんな時でも小川は自信たっぷりに相手ディフェンダーとの駆け引きを楽しみ、自らのゴールのため、何よりチームの勝利のため全身全霊を注ぐはずだ。
名波監督は小川に対し1試合1得点、シュート5本というミッションを与えている。これを遂行できるかでU-20日本代表の結果も変わってくるが、磐田の指揮官は選手にできないことを押し付けたりはしない。小川なら、これをノルマにプレーできると信じているのだ。
「世界に行って戦う上で、中途半端なチームとやっても何も面白くない。グループの相手はレベルが高いし、チームとして、個人としてどれくらいできるのか。それがすごく楽しみだし、ワクワクした気持ちしかない」
小川の表情に、不安の色など一切見えない。彼の目には、大会で活躍する日本と自身の姿が鮮明に浮かんでいる。
(取材・文:青木務)
【了】