クラブW杯での鹿島躍進。高められたモチベーション
昨年末のFIFAクラブワールドカップ決勝で、ヨーロッパの強豪レアル・マドリードとアントラーズが延長戦にもつれ込む死闘を展開。日本中を熱狂させたことで、ACLの立ち位置が変わった。
もちろん、これまでも重要な大会と認識されていた。それでも、頂点に立った先にFIFAクラブワールドカップがあり、アジア代表として世界の強豪との真剣勝負に臨める事実が選手たちを奮い立たせる。
「正直なところ、悔しさとうらやましさが半々の心境で決勝戦を見ていた。鹿島がJリーグの力というものを見せてくれたし、来シーズン以降は世界の目がさらにJリーグへ向けられてくるとも思う。お互いにしのぎを削り合って、Jリーグそのもののレベルをあげていきたい」
MVPを受賞した昨年末のJリーグアウォーズで中村が明かした、プロ選手ならば誰でも抱く偽らざる思いがJリーグ全体を刺激し、長くはね返されてきたアジアの壁を越える力になると村井チェアマンも言う。
「年間勝ち点で鹿島よりも上位にいた浦和と川崎の選手たちも、おそらくは『自分たちがあの場にいるべきだった』という思いを重ねながら、クラブワールドカップを見ていたはずです。クラブワールドカップにおける鹿島の頑張りで、リーグ全体がかなり強くモチベートされると認識しています」
今シーズンからはUAE(アラブ首長国連邦)を舞台に開催されるFIFAクラブワールドカップへ通じ、2019シーズン以降のACL出場枠をもかけたアジアでの苛酷な戦いが、いよいよ佳境を迎える。
(取材・文:藤江直人)
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