ACL出場枠の決定要素は、ACLの成績のみに
現行の32チーム制がスタートした2009シーズンは名古屋グランパス、ガンバ、アントラーズが1位となっている。中村が「ちょっともったいない」と言ったのは、このときに起因しているのかもしれない。
実はフロンターレもグループHの2位で決勝トーナメント進出を果たし、当時は一発勝負だったラウンド16で前年覇者のガンバを撃破。準々決勝ではグランパスに、2戦合計3‐4のスコアで敗れている。
準々決勝以降の同国勢対決は、避けられない部分がある。それでも、ラウンド16で“潰し合い”が実現しなかったことは9年ぶりのアジア制覇だけでなく、未来へ向けた視界をも良好にしていると言っていい。
アジアサッカー連盟(AFC)は昨年12月1日に開催した理事会で、2017および2018シーズンにおける加盟国のACL出場枠を決定。日本はこれまで通り、最大枠となる『3+1』を確保している。
これはグループリーグからの出場が3チーム、プレーオフステージからの出場が1チームを意味する。ここには2013‐16シーズンにおける、ACLと代表チームの成績が『7対3』の割合で反映されている。
ACLの舞台でJクラブが続けてきた低空飛行を、ザックジャパン以降の日本代表が補ってきたかたちだ。しかし、件の理事会では日本にとってある意味で衝撃的な決定もなされている。
ACLと代表チームの成績比率が見直され、2019および2020シーズンの出場枠決定では『9対1』に、2021および2022シーズンのそれに至ってはACLのみが100パーセント反映されることになった。
しかも、2019および2020シーズンの出場枠は、2015‐18シーズンの成績が対象となる。すでに半分を消化しているわけで、ACLで不振が続く日本が置かれた状況は一気に厳しいものになった。
2015シーズンは広州恒大が、2016シーズンは全北現代(韓国)がACLを制している。しかも後者では準決勝でFCソウルとの韓国対決が実現し、上海上港と山東魯能の中国勢もベスト8入りしている。
翻って日本勢は2015シーズンにベスト4入りしたガンバが最高位。このときは柏レイソルもベスト8入りしたが、2016シーズンはレッズとFC東京がラウンド16で敗退した時点で全滅している。