政治的あるいは差別的な意図に基づいた行為だったのか?
決して軽く捉えることはできないし、軽く捉えるべきではない主張だ。この話がすぐに大きな反響を引き起こしたのは、同様に不快感を引き起こすような出来事がここ最近相次いでいたためでもあった。
ガンバ大阪は、4月16日のセレッソ大坂とのダービーマッチで、ファンがナチス親衛隊SSを連想させるデザインのフラッグを掲げていたとして処分を受けた。その9日後には川崎フロンターレのサポーターが、ACLの水原三星とのアウェイゲームで旭日旗を掲げたことで、AFCからクラブに170万円の罰金処分が下された。違反が繰り返されたとすればホームゲーム1試合を無観客試合とする処分も下されている。
どちらのケースも、何らかの政治的あるいは差別的な意図に基づいて実行された行為だというわけではなさそうだ。むしろ、あるイメージを掲げることがどう受け止められるかについての理解力の欠如に起因すると言える。これはサッカーに限った問題ではなく、社会全般の広範な問題が反映されたものではあるが、こういった問題についての啓蒙を試みる上でサッカーがイニシアチブを取ることは可能かもしれない。
「子どもみたいな喧嘩かなと反省していますけど、それが僕から言えるすべての事実だと思っています」と森脇は埼玉での試合後に話し、レオ・シルバに対して何らかの差別的な言葉を吐いたという疑いについては否定した。彼の説明によれば、森脇の言葉はブラジル人MFに向けられたものではなく、小競り合いの中で自身の顔に向けてツバを飛ばしてきた小笠原に向けられたものだったのだという。
「むしろ、その場面にテープレコーダーがあって、すべてが録音されていた方が僕にはありがたいなと思います」と彼は続けた。「僕のことをよく知っている人はわかると思いますけど、カッカして『クソ!』とかそういう子どもじみた発言はするかもしれないですが、誰かに対して侮辱するような、ことを大きくするような発言は今まで一回もしたことがありません。それが日本人であろうが、ブラジル人であろうが、どこの国の人であろうが、僕はそういうことを一切言ったことがないので」