変則システムにプレスはかみ合わず。しかし即座の修正で対応
そして試合開始後、モナコは思惑通り左サイドからペースを掴んだ。キックオフ直後にムバッペの縦突破からのクロスでコーナーキックを獲得。さらに5分には、そのムベッパが左からゴール前に絞ってシュートを放ち、ポストに直撃させている。
モナコの組んだ変則フォーメーションに対して中盤ではプレスがかみ合わず、早いタイミングでパスを出されてはムバッペやメンディーに走りこまれていた。このままゴールにつながれば、流れが一気に傾きそうな雰囲気もあった。
しかしユベントスが見事だったのは、すぐに修正を図ったことだ。前半10分にはサミ・ケディラが故障で交代を余儀なくされるアクシデントが発生するが、その際に投入されたクラウディオ・マルキージオにアッレグリ監督から的確な指示が飛んでいたのだろう。チームはバランスを取り戻し、モナコの左サイドアタックの抑制にも成功したのだ。
守備の際には、4-4-1-1の並びでコンパクトな布陣を保つことを今一度徹底。特に最終ラインの枚数をしっかり整えて、バルザーリが右で安定したポジションを取れるようにする。もちろんその右サイドには、ダニエウ・アウベスが戻ってバルザーリをサポートする。
早速その効果が現れていたのが16分のプレーだ。左に張ったムバッペはバルザーリを狙ってドリブルで裏へ抜けようとするが、そこにアウベスが戻ってきてカバー。スライディングタックルで正確にボールを奪い、ファウルを犯さずにカウンターを阻止した。
さらに全体の組織守備を締め直したことは、左クロスへの対策も強化した。ベルナルド・シウバらにしっかりプレスを掛けて、展開のスピードをダウンさせる。その一方でユーベは相手よりも先に、ゴール前で陣形を整える。
メンディーが左サイドでボールを持っても、味方FWがマークされ、後方からMFが走りこむスペースも消された状態では出しどころがない。仕方なく放たれたクロスは、ユーベの守備陣にヘディングで弾かれ続けた。