バルザーリかクアドラードか。先発選手に現れる試合へのアプローチ
同試合の後半で、ユーベはモナコに多くのシュートを打たれていた。もちろん2点リードして引き気味になればそれも当たり前のことで、攻められてもゴール前を冷静に固めてチャンスをつくらせなかったから、十分想定の上で試合をコントロールしていたとも言える。
だがカウンターのチャンスでミスをし、前線でボールをキープできずにモナコに奪われ、さらに攻撃を喰らうというシーンも決して少なくはなかった。
もし仮に、ユーベが終盤で不正確なつなぎによってボールを失い、モナコの攻撃の流れを切れないようだと、間違いが起こる可能性も出てくる。モナコ陣営が狙っているのはそこだ。前日会見でジャルディム監督は「理想は前半で1-0とすること。そして後半に賭ける」とゲームプランの一端を披露していた。
前線にはキリアン・ムバッペがいる。スペースが消されて得意の裏抜けを抑えられ、「スペースのないところでのプレーがもう少し上手くなってくれないと」とジャルディム監督からも苦言を呈されていた。しかし、味方が強引に放ったクロスに反応して、2度のビッグチャンスを作ったのは他ならぬ彼だ。
ユベントスにとっては、相手を調子づかせないためのゲームコントロールが90分を通してできるかどうかが鍵だ。1stレグでは相手の攻撃をスローダウンさせる組織守備が効いたが、その決行は引き続き重要。その上で、相手の勢いを断ち切るためのカウンターもより効果的に実行させたい。
この意味において、選手起用や交代策もより重要なものになりそうだ。アッレグリ監督は「(アンドレア・)バルザーリか(ファン・)クアドラードかどちらを先発にするか迷っている」と会見で語っていた。つまり、2アシストと大活躍したダニエウ・アウベスを引き続きサイドハーフとしてやらせるか、それともバルセロナ戦2ndレグでドリブル突破から流れを切ったクアドラードにするかという選択を意味するものだ。どういうアプローチで試合に臨むのかは、この選択に現れると言えそうだ。
(取材・文:神尾光臣)
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