アウベスが2ゴールを演出。モナコは弱点を突かれ対処できず
そしてユーベの2得点は、いずれも右サイドから生まれた。バルザーリに後方を固めてもらい、守備のタスクが軽減されたダニ・アウベスはサイドハーフとして攻撃センスを活かし、相手を抜き、裏へと走る。そしてそこに絡んでくるのは、パウロ・ディバラとゴンサロ・イグアインだ。
ディバラはサイドに開いて、個人技で相手のチェックを剥がしたのちにアウベスとパス交換。またイグアインは、サイドに出てきたアウベスをうまく使いつつ、自らは巧みにシュートポジションに走ってラストパスを呼び込んだ。
モナコにしてみれば、ただでさえルーズなゾーンでそんな攻撃をされたら対処のしようがない。前半29分の先制ゴールは、イメージを共有したこの3人に綺麗に崩されたものだ。ディバラに抜かれてサイドバックの裏が開き、そこへアウベスに走り込まれ、つり出されたセンターバックの背後にはイグアインに走りこまれ、プレッシャーのないスペースで折り返しを受けて点を決められる。この一連のプレーで、弱点を全て突かれて崩されていた。
後半14分の2点目もしかりで、ディバラとアウベスがプレスで挟み込んだところからあっという間に崩され、最後はイグアインを見失った挙句ファーでクロスを押し込まれた。
この直後、レオナルド・ジャルディム監督は攻撃にも守備にも機能しなかったレマルを下げる決断を下している。戦術上のキーマンを封じられ変えざるを得なくなったところにも、試合の趨勢が色濃く現れていた。