小野からの金言。体づくりへ惜しまぬ努力を
それは、ケガ回避の努力を惜しまないことだ。
18歳で98年フランスW杯出場、19歳で99年ワールドユース(ナイジェリア)準優勝を経験しながら、同年夏のシドニー五輪アジア予選で大けがを負い、キャリアのシナリオが狂った小野は「久保選手が順調に成長していくために必要なこと? ケガをしないことじゃないですか。そのままやっていけばきっとすごい選手になる。それだけ気を付ければいいと思います」と神妙な面持ちで語ったのも、自身の苦い経験があるからだ。
同年代の市川大祐(清水普及部スタッフ)、平山相太(仙台)、家長、梅崎司(浦和)らも早い時期に頭角を現しながら、相次ぐケガで飛躍のチャンスを逃している。
久保には同じ轍を踏んでほしくない。ゆえに代表活動の制限はやはり必要だ。U-20代表入りした選手をカテゴリー下の代表にまで入れて過剰な負荷をかけるのはナンセンス。そのあたりはしっかり線引きをすべきだろう。加えて、彼自身もケガをしない体づくりにより努めるべき。今、力を入れている体幹強化はもちろん、当たり負けしないフィジカルを養うことが肝心である。
今回の記念すべき札幌戦デビューを機に、15歳の逸材がどんな進化を遂げるのか。過去に例のない爆発的成長を期待してやまない。
(取材・文:元川悦子)
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