2年目はさらにハードに? 識者が口を揃える修正ポイント
シティの番記者の一人も、「特にシーズン途中からだが、ペップの対応にはがっかりしている」と明かしていた。筆者も今季現場で数回取材をして、それに賛同してしまう。以前バルセロナやバイエルンの監督時代にCLの試合でイングランドにやってきた際には、ふてぶてしかったとはいえ、自信が漲るスタイリッシュなカリスマだった。だが今季は、偏屈で不機嫌な中年にしか映らない。
だが、実際は違う。ペップ・グアルディオラはフットボール史に残るべき智将である。長かった10ヶ月を終えて、PL挑戦1年目を振り返ればきっと気が付くはずだ。自分の持つ信念と修正の必要性のバランスを保てれば、待っているのは上昇だけである、と。
ネビルとファーディナンド、さらにティエリ・アンリなど、現在イングランドで解説者として活躍する元選手たちは口を揃えていう。
「ペップは夏に何をすべきか分かっているはずだ。すべてプラン立てていて、自分に不必要な選手とは契約延長しない、もしくは放出して、必要な選手を獲得してくるはずだ」
そしてネビルは付け加える。「おそらくGK、DF3、4人、中盤で1、2人を刷新するに違いない。ペップは今季を長い旅の中にある過渡期として考えている」。
さらに今季のグアルディオラ監督はバルセロナやバイエルン時代のように、若手を抜擢していないが、若手の登用と世代交代はオーナーのシェイク・マンスールが出した大きな課題の一つでもある。
イングランドでの1年目は、監督としてペップ・グアルディオラが初めて直面した大きな壁となった。だがその2年目は、さらにハードになることは間違いない。これまでに自分が経験したことのないほどの大きな正念場が待ち受けているのである。
若き名将は実力を示すことはできるのか。すべては来季に持ち越された。
(取材・文:Kozo Matsuzawa / 松澤浩三【イングランド】)
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