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ペップ、失望と落胆ばかりのプレミア1季目。キャリア最大の正念場。信念の貫徹が裏目に

text by Kozo Matsuzawa / 松澤浩三 photo by Getty Images

シーズン序盤はペップ流が効果的だったが…

 そしてグアルディオラ監督率いる新生シティは、開幕前には「大きく変貌を遂げた」と称賛され、優勝の筆頭候補として2016-17シーズンに臨むことになる。プレーする選手たちも偉大な指揮官に尊敬の眼差しを送り、イルカイ・ギュンドアンが「選手のレベルを引き上げてくれる監督」といえば、ジョン・ストーンズも「練習初日から目から鱗が落ちた」と語った。

 またアレックス・コラロフやラヒーム・スターリングは、無駄な肉をすべてそぎ落として見違えるようなシャープさで新シーズンに入り、切れのある動きを見せた。チーム全体が高い位置でプレッシングをかけてボールを奪い、圧倒的なポゼッション・サッカーでゴールに襲い掛かる。万事がうまくいった開幕直後は、全公式戦を通じて10連勝を飾るなど、ペップ流の効果は一目瞭然だった。

 しかし9月28日のチャンピオンズリーグ(CL)、敵地でのセルティック戦を3-3で引き分けて連勝が止まり、さらに直後のPL、対トットナム戦を0-2で落とすと暗雲が立ちこめてくる。

 その後は、0-4で惨敗を喫した10月19日のCLのバルセロナ戦を挟んで、リーグ戦でも2戦連続引き分け。26日のリーグカップのマンチェスターダービーでも0-1で負けるなど、9月24日に勝利して以来、最終的に勝利にたどり着いたのは10月29日のことだった。だが以降、シーズンを通じて再び開幕直後のような進撃を見せることはなかった。

 先日、現在解説者を務める元選手と話をする機会があったが、その際に「ペップは偉大ない監督だ」と前置きしたうえで、「PLの激しさと消耗性は予想以上だったに違いない。だが彼は、Tweak(微調整)を怠った」と分析していた。これは多くの解説者も賛同する意見である。

 引き分けでも準々決勝進出が決まったはずのCLモナコ戦の敗戦後がそうだった。ロイ・キーンが「シティには守備的な選手が少なかった」と話し、リオ・ファーディナンドも「セットプレーの準備ができていなかった」とした。

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