ユーベの不安要素…サイドハーフの上下動が勝敗のポイントに
モナコが誇る2トップ、ラダメル・ファルカオ(左)とキリアン・ムバッペ(左)【写真:Getty Images】
一方、この試合で気をつけなければならないのは、ボールを奪われた後のケアだ。攻守に渡ってサイドの連係がそれほど緻密ではなかったバルセロナとは違い、モナコはここに人数を掛けて展開も速い。ユーベのサイドの守備も非常に強固ではあるのだが、今回の試合においては若干の不安も否めない。
確かに前のバルセロナ戦でダニエウ・アウベスはネイマールを封じ、アレックス・サンドロはリオネル・メッシにサイドのスペースを使わせなかった。
だが問題は、1対1に勝てば良いというものではない。サイドハーフがボールを持てば、すぐさまサイドバックがフォローに走って来る。これを警戒し、サイドを固めるのはマリオ・マンジュキッチとファン・クアドラードの役目だが、勢いのあるモナコ相手に彼らの上下動は果たしてどれだけ続くのか。
現在のユーベは決して層が厚いとは言えず、特にこの両者はほぼ出ずっぱりとなっている。アタランタ戦での“間延び”は、彼らの勢いの低下によるものと言えなくもなかった。この試合に向けて、フィジカル、メンタル両面でどれだけ回復ができているかも重要なポイントとなるだろう。
「180分をどう戦うか」。ブッフォンもアッレグリ監督も、そう口を揃えていた。勢いのある若いチーム相手に、経験を発揮して沈着冷静な戦いができるのか。さしあたって、熱狂に包まれるであろうスタッド・ルイ・ドゥのピッチで、ユーベは自分たちのペースにはめることができるだろうのか。
(文:神尾光臣【モナコ】)
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