直近のリーグ戦では苦戦の末に引き分け…モナコ戦で教訓活かせるか
先発起用が濃厚なクラウディオ・マルキージオ【写真:Getty Images】
その上で会見に同席していたマッシミリアーノ・アレグリ監督は、戦術上の注意事項を一つ挙げていた。
「アタランタ戦での前半を繰り返さないことだ。80メートルほどの距離感で試合を運んでしまい、とても苦戦してしまった。相手のプレーの性質を考えれば、同じことをすれば間違いなく苦戦する」
28日に行われた、リーグ戦アタランタ戦でのことだ。堂々とEL出場権争いに喰い込んでいるダークホース相手に2-2。ユーベが現在の4-2-3-1のシステムで組織守備を固めてからは初めての出来事だった。特に前半は指揮官の言葉通り、非常に苦しい内容だった。
オールコートでマンマークをつけ、プレッシャーを掛けて来るアタランタ相手に、球際で競り負ける。そのうちに全体は間延びし、持ち味のコンパクトなプレスが掛からないまま相手にボールを持たれる。するとそこに、システマチックな速攻を喰らうといった寸法だった。
「モナコも似ている。せめてこの教訓を準決勝で活かさなければ」と試合後にアッレグリ監督は反省していた。勢いに乗ってボールを狩りに来る相手に対し、中盤で走り勝ってボールをものに出来るかということが一つのポイントになる。
その上で鍵となるのは、サミ・ケディラの出場停止で先発起用が濃厚なクラウディオ・マルキージオの出来。「フィジカルはケディラに分があるが、彼はそのぶん運動量に優れている」と指揮官は期待を掛けるが、持ち味の果敢なプレスと正確なパスの散らしで相手をいなせるかが勝負を大きく左右するだろう。
そして奪ったボールを、素早くスペースに運べるか。攻撃的な両サイドバックを備えるチームの宿命ではあるが、モナコはやはりどうしてもこの裏が開く。センターバック2人も決して敏捷性に優れるタイプではなく、DFラインの前にもスペースはできやすい。前後左右に動いてバルセロナから2ゴールを奪ったパウロ・ディバラを軸に撹乱をしたいところだ。