飛び級で招集された久保。監督は何を評価しているのか?
U-20日本代表に選出された久保建英【写真:Getty Images】
2007年カナダ大会以来、5大会ぶりのU-20W杯(韓国)に挑む日本。そのメンバー21人が2日に発表され、昨年10月のAFC・U-19選手権(バーレーン)MVPの堂安律(G大阪)を筆頭に、小川航基(磐田)、富安健洋(福岡)、中山雄太(柏)ら同大会の主力が順当に選出された。
アジア最終予選未経験組は波多野豪(FC東京)、山口瑠伊(ロリアン)、杉岡大輝(湘南)、森島司(広島)、田川享介(鳥栖)、久保建英(FC東京U-18)の6人。とりわけ注目されるのが、2段階飛び級で選出された15歳の久保だ。
「昨年の最終予選後、(12月の)アルゼンチン遠征から招集し、J3やU-16アジア予選も含めて見た中で、彼はサッカーで一番難しい『自分に何ができるか』ということが分かっています。味方のことも分かっていて、適応能力が高い。特に攻撃に関しては、非常に柔軟に変化を持たせられる。
グループの中で過ごす時間はそんなにありませんでしたが、短い時間でも判断能力がとても高いというのはプレーを見て感じました。フィットするのもそんなに難しくないだろうという予測のもとに選出しました。彼のような選手にはよりよい環境、レベルの高い環境でプレーさせた方がより効果が出る。それが久保に関する評価です」
内山篤監督は選出理由を説明したが、彼が15歳は思えない高度な技術と戦術眼、冷静沈着さを併せ持っているのは確か。4月30日のJ3・長野パルセイロ対FC東京U-23のゲームで対峙した元日本代表・明神智和も「ホントにうまい。年齢に関係なく一番危険な選手」と脱帽していただけに、U-20W杯という世界舞台に立っても動じずにプレーできるはずだ。
今大会の日本は21日の南アフリカ戦(水原)を皮切りに、24日にウルグアイ(水原)、27日にイタリア(天安)とグループステージを戦い、まずは16強入りを目指すことになる。やはり勝負を分けるのは初戦だろう。
「南アは個々の身体能力、意外性といった部分では迫力がある。我々は一昨年にマリとバーレーンでゲームを行いましたが、マリのテクニカルな感じより、南アはやはりフィジカル中心」と内山監督も評した通り、屈強な体躯を誇る相手とどう組していくかが、非常に大きなポイントになる。
では、この初戦で久保はどのような役割が課されるのだろうか。