7月に来日予定のセビージャ。サンパオリは不在が濃厚
彼を非難する者もいる。「サンパオリには監督としても人としても価値がない」と言っていたビラルドはその中でも特に辛辣だ。あるいはマラドーナのように、その日次第という者もいる。「現在最高の監督だ」と言う同じ口から、「彼はアルゼンチン代表を率いることにひどく増長している」と攻撃の言葉が吐かれる。
AFAは彼に、2018年までアルゼンチン代表を率いる契約を提示し、2022年まで延長する可能性も持たせている。それこそがサンパオリの望んでいたものだ。次回のロシアW杯で何が起こるかにかかわらず、5年間の大きなプロジェクトを進めることだ。
セビージャはもはや、ホルヘ・サンパオリやアルゼンチン代表での彼の未来についてどのような情報が浮上しようとも驚くことはない。むしろ不愉快に感じることはある。リーガは佳境を迎えており、チームはチャンピオンズリーグ出場権獲得を争っているからだ。
クラブと監督は「不可侵協定」を結び、シーズンが終了するまではこの一件を蒸し返さないことで合意している。だがすでにセビージャは、2017/18シーズンに向けたプロジェクトに取り組み始めている。サンパオリもおらず、モンチもおらず、多くの不確定要素を抱えつつ大きな挑戦に臨むプロジェクトだ。
もう一度自分たちを再定義し、期待の持てるプロジェクトでファンを引きつけることが必要になる。7月には、セビージャは日本行きを予定している。市場を拡大し、新たなファンを取り込むことを意図してのものだ。その先頭に立つのはもはやサンパオリではないだろう。アルゼンチンこそが彼の次の停泊地だ。
(取材・文:ロシオ・ゲバラ【セビージャ/マルカ】)
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