工藤の背番号「50」に込められた意味
現時点でのJリーグでは、「51番」以降の背番号は原則的に認められていない。たとえばセビージャFCからセレッソ大阪へ復帰した日本代表MF清武弘嗣は、合計して「10」になるという意味で「55番」を希望したが前述の通り規定によってかなわず、いま現在の「46番」を選んでいる。
ならば工藤は「50番」に、どのような意味を込めたのか。FC東京戦後に胸中を聞くと、不退転の決意が込められた短い言葉が返ってきた。
「僕自身が最大限の力を発揮する、ということで。Jリーグでつけられる一番大きな番号なので」
一番重い責任を背負う、という意思も込められているのかもしれない。9試合で3ゴールは決して悪い数字ではないものの、チームの結果が伴っていない以上は、最大限の力を発揮している状態にはほど遠い。工藤は再び表情を引き締め、鋭い視線で前を見すえた。
「僕自身もペナルティエリアの中へ侵入していく場面を増やしていきたいけど、チームの攻撃の組み立て方として、最終ラインからしっかりボールをつないでいくので。それだけに僕がペナルティエリアの中へ入っていく部分で、少し時間がかかるというところもある。
僕もまだ来たばかりですし、広島のサッカーに慣れるというところで日々勉強している部分もある。それでも細かいところまでお互いに要求し続けないけないし、選手同士のコミュニケーションというものに関しては、正直、終わりはないと思っているので」