2日に発表されるU-20ワールドカップのメンバー入りは?
実際、昨年11月に東京・駒沢陸上競技場で長野と対戦した際には、相手の激しいチェックに苦しみ、思うような仕事ができなかった。元日本代表・橋本英郎(現東京V)にも「(他の選手との違い?)僕には分からなかった。宇佐美(貴史=アウグスブルク)とか家長(昭博=川崎)が本当にすごかったので」とやや物足りなさを指摘された。
しかしこの半年間で身長が5cm伸びて体がガッチリし、日々の体幹強化によって倒れない強さも養われた様子で、プロ選手たちと互角に渡り合える部分も多くなってきた。
「スピードや当たりの面ではまだこっちのほうが優位性があるから、力でいってしまえるところはあった」とマッチアップした明神も語っていたが、フィジカル的な課題は時間の経過とともに着実に改善に向かっている。それを実感したからこそ、久保自身も「十分やれる」という手ごたえをつかんだに違いない。
「(明神さんは)ワールドカップとかも経験されていて、寄せが速かったり、いいところが見えたりっていうところがありましたけど、まあ全然やれると思う。去年のJ3デビュー戦に比べると緊張感も減りましたし、明らかにやれるっていうのが自分の中にあった。まあ成長しているんじゃないかと思ってます」と背番号41は15歳とは思えないほど堂々と自信を口にした。
2日にはU-20ワールドカップ(韓国)メンバー発表が控えるが、久保の選出は確実視されている。チームメートになる堂安律(G大阪)が公式戦3試合連続ゴールを挙げ、小川航(磐田)も4月26日のルヴァンカップ・FC東京戦でハットトリックを達成するなど、攻撃陣の競争も熾烈を極めている。
久保が今回のJ3でのパフォーマンスを糧に、3日の札幌とのトップデビュー戦でどんな一挙手一投足を見せてくれるのか。それは日本サッカー界の一大事と言っても過言ではない。
「この試合ではコントロールがずれてしまったりといった課題もありましたけど、何度かいいチャンスも作れた。ただ、やっぱり最後に決めきれないと勝ちが逃げて行ってしまう。もっと目に見える結果をどんどん残していければと思っています」と語気を強めた久保建英。日本屈指の逸材のトップ初ゴールをいち早く見せてほしいものだ。
(取材・文:元川悦子)
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