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CLで不振続くプレミア勢。“最興”、“最競”、“最狂”、ゆえに「最強」ではなく

text by 山中忍 photo by Getty Images

今後に向けて明るい兆し? トップクラスの監督たちが集結

今季からマンチェスター・シティの監督を務めているジョゼップ・グアルディオラ
今季からマンチェスター・シティの監督を務めているジョゼップ・グアルディオラ【写真:Getty Images】

 但し、国民がCLでの今後に幻滅しているわけではない。プレミアの資金力と競争力は、監督界の真のトップクラスを引き寄せ始めた。

 最たる例が、昨夏にマンCで就任したペップ・グアルディオラ。1年目の今季は新監督の攻撃志向が裏目に出てはいる。だが、プレミア随一の補強予算を持つマンCは、今夏に守備陣の大幅梃入れも可能。ホームでの3失点(5-3)が致命傷となってアウェイゴールに泣いた、16強モナコ戦(計6-6)のような敗退が繰り返されるとは思えない。

 スタイルに共通点があるリバプールでも、監督就任2年目のユルゲン・クロップが「今夏は買う」と補強意欲を示している。やはりハイラインで積極的に戦うマウリシオ・ポチェッティーノ監督のトッテナムは、既に攻守のバランスに改善が見られ、今季プレミアで優勝を争っている。

 グループステージで去ったCLでは、新スタジアム建設に伴うウェンブリー・スタジアムでのホームゲームが災いしたが、広くて不慣れな「借家」のピッチも来季は2年目だ。

 プレミア優勝争いをリードするチェルシーでは、攻撃を好むが戦術家と現実派の側面も持つアントニオ・コンテ新監督の下、過渡期だったチームが攻守に抜群の安定感を示すようになった。

 同じく過渡期のマンUは、ジョゼ・モウリーニョが新監督。結果にこだわらせれば当代随一の指揮官は、既にチームをEL準決勝に導いている。昨夏のポール・ポグバ加入は、スペイン勢との大物獲得競争に勝ったことでも歓迎された。

 アーセン・ベンゲル体制21年目アーセナルにしても、ベンゲルの進退によらず異例の大型補強を経て来季に臨むと見られる。

 その来季は、プレミア対決を制したマンUがCL王者となってから10年目。“最競”も“最狂”も言わば「自分で蒔いた種」のプレミアだが、欧州での復活を期待させる芽も出始めている。

 もっとも、「ビッグ6」からチェルシーとトッテナムの他にどこが来季CLに出場するかは最後までわからないのが、競争が激しいプレミアの悩ましさ。“最興”と「最強」の両立は至難の業なのである。

(取材・文:山中忍【イングランド】)

【了】

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