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CLで不振続くプレミア勢。“最興”、“最競”、“最狂”、ゆえに「最強」ではなく

text by 山中忍 photo by Getty Images

熾烈を極める国内リーグのCL出場権争い

2008年のチャンピオンズリーグ決勝はマンチェスター・ユナイテッド対チェルシーというカードだった
2008年のチャンピオンズリーグ決勝はマンチェスター・ユナイテッド対チェルシーというカードだった【写真:Getty Images】

 ベイルが4年前に移ったスペインには、レアルとバルセロナというCL常連中の常連がいる。欧州最高峰の大会で成果を残すには、国内リーグとの「二足のわらじ」を履きなれたチームとしての経験も重要だ。

 プレミア勢がCLで勢力を振るっていた時代も、マンU、チェルシー、アーセナル、リバプールが国内トップ4を独占する「ビッグ4」の時代だった。

 それが、今ではマンチェスター・シティとトッテナムを加えた「ビッグ6」。今季開幕前には、エバートンやウェストハムにもトップ4争いの可能性が指摘された。プレミアの強豪はCL出場権を得るだけでも必死なのだ。

 そこに、「最狂」であるが故の弊害が加わる。国内メディアでは、クリスマスから年始にかけて「クレイジーなイングランドだけはノンストップ!」という表現をよく見聞きする。

 自慢と自虐が半々の表現。スペイン、イタリア、ドイツといった他の欧州主要リーグが中断期に入っても、プレミアでは伝統の過密日程が消化され続けるのだ。それが、国内外のテレビ局が放映権を欲する理由の1つでもある。

 主力選手たちは、国内での競争が激化する一方でも、心身の消耗を途中で充電することが許されない。週に2、3試合のペースで働かされる。2週間休める他国リーグの選手に比べ、2月にCL決勝トーナメントが始まる時点でのコンディションが悪くても当然だ。

 フィジカルなイメージが強く、実際にハードなシーズンを戦うプレミアが、ワールドクラスに敬遠されがちな実情も国民は自覚している。

 リオネル・メッシ、ネイマール、セルヒオ・ブスケツ、ロベルト・レヴァンドフスキらの移籍は噂だけ。反面、クリスティアーノ・ロナウド、ルイス・スアレス、シャビ・アロンソ、ガレス・ベイルらは、ピーク年齢を前にプレミアを去っていった。

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