半ばタブーになっている「横浜フリューゲルス」という存在
それ以上に残念に思うのが「横浜フリューゲルス」という存在が、半ばタブーになっていることですよね。少なくともJリーグは、フリューゲルスの名前が出るのを嫌がっている節があるように感じます。
3年前、三ツ沢で波戸(康広)の引退試合が行われたんですが、『マリノスAll Stars vs 波戸Friends』だったんです。本当は『フリューゲルスAll Stars』にしたかったんですけど、Jリーグから許可が下りなかったんですよ。
おそらくフリューゲルスの名前って、Jリーグからすると「汚点」なんでしょうね。天皇杯では都合がいいから当時の映像を流すけど、Jリーグとしては蒸し返してほしくない話題なんだと思いますよ。
現役時代、一緒にやっていたヤツとは今でもたまに会います。アツとかモト(山口素弘)とか。でも、あまりフリューゲルスの話にはなりませんね。だって彼らにしてみれば、その後にプレーしたクラブのほうが思い出は多いだろうし。
モトだったら、(名古屋)グランパス、アルビレックス(新潟)、横浜FC。アツにしても、F・マリノスからヴェルディに行って、ヴィッセル(神戸)、横浜FCですからね。むしろ、そっちのキャリアのほうを大事にしたいと思いますよ。僕の場合は、全日空も含めてフリューゲルスから始まって、フリューゲルスで終わっていますからね。そんな選手、他にいないと思いますよ。
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