「ダビドやセスクにもJリーグをオススメしたい」
今季はスペイン国籍を持つ選手や監督がJリーグにやってきた。シシーニョは東京ヴェルディのミゲル・アンヘル・ロティーナ監督とも意気投合して電話番号を交換した。スペイン人が日本へやってくることを喜んでいるようだ。
シシーニョはJリーグ挑戦を実現した後の将来についてこう語る。
「できるだけ長く日本でプレーし続けたい。3年とか4年とか…チームが必要としてくれるかはわからないけどね。いまはとても幸せだ。日本でもっと多くのことを学びたいと思っているよ」
熱望したJリーグ移籍。それが現実のものとなり、実際に日本へ来て、サッカーだけでなく環境や文化、人々にも好感を持っている。シシーニョはこんなことも言っていた。
「たくさんの実力ある選手たちがプレーしてきたのは、優れた日本人の選手がいて、いいサッカーをしていて、素晴らしいスタジアムがたくさんあって、人もいいし、組織がしっかりしているからだと思う。
お金のことなんて全く気にならない。残念ながらプレーすることによってお金が欲しいとなると中国へ行ってしまうんだよね…。僕は日本に来てみて、ダビド(・シルバ)やセスクみたいな選手たちにも『日本に来いよ!君も来なくちゃ!』ってオススメしたいね。当然だよ! でも、難しいかな(笑)」
3年前のJリーグとの出会いから始まり、SNSでの一見すると何気ない投稿が移籍におけるひとつのきっかけとなった。病気や怪我との苦しい戦いを乗り越えたスペイン人MFは、31歳にして新天地・日本で喜びに満ちた一歩を踏み出した。
(取材・文:舩木渉)
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