シシーニョが対戦を心待ちにする2人
日本語も半年ほど前から勉強し始め、今ではひらがなとカタカナを読めるというシシーニョ。笑顔で「うまく読めてるのかはわからない」と言いながら、「チョット、チョットニホンゴ」と勉強の成果を披露してくれた。
岐阜は開幕戦から5試合勝ちなしという長いトンネルを抜け、第6節のFC町田ゼルビア戦での初勝利から4試合負けなしを続けている。シシーニョは背番号6のユニフォームをまとい、ここまで9試合すべてに先発フル出場とすでにチームの柱となった。
まだシーズンは序盤で、これから対戦を楽しみにしている選手たちもいる。1人は“One of the best”と称した、福岡の城後だ。
「城後には僕が持っているユニフォームにサインを書いてもらいたいんだ。対戦した時に頼んでみようと思っている。もちろんピッチの中では試合に集中し、全力で勝ちにいくけどね。ユニフォームを交換したいとかではないんだ。試合の前でも後でも、サインさえ書いてもらえればいい。試合には集中したいからね」
昨年購入した福岡のユニフォームを持参して城後に対面するのを心待ちにしている。城後のことを話すシシーニョは、1人の無邪気なサッカー少年のようだった。今季最初の岐阜と福岡の対戦は7月1日に予定されている。
もう1人、対戦と再会を楽しみにしているのがV・ファーレン長崎のスペイン人MFミゲル・パジャルドだ。バレンシアの下部組織で同期だった2人は、世界選手権で準優勝した時のU-17スペイン代表でもチームメイトだった。
シシーニョは来日するにあたって、すでにパジャルドとコミュニケーションをとったという。「代表で一緒にプレーしたのは2、3試合だったけど、いいチームメイトだった。そういう選手とまた同じ場所でプレーできて嬉しい。同じスペイン人だから、わざわざたくさんのことを話す必要もないよ。とても良い選手だし、また同じピッチに立ちたいね」と語る。
パジャルドはまだ1試合12分間しかプレーできておらず、シシーニョほどの存在感を発揮できていないが、岐阜対長崎は5月21日に予定されている。もうすぐかつての戦友とピッチ上で再会できるかもしれない。
「今季何人かのスペイン人選手や監督が日本に来ているのは、とてもいいことだと思う。彼らのことなら何も心配はいらない。僕もピッチで戦う以上は特別気にすることなく戦うよ」