1試合平均で3.6ゴール。アジア屈指の破壊力
果たして、パスを受けた興梠はスピードを緩めてボールをキープ。ラファエル・シルバが自分を追い越す時間を作り、ボールを預けてから今度は右斜め前方へ再びダッシュする。ラファエル・シルバからリターンを受けるイメージが、脳裏にははっきりと浮かんでいた。
「お互いが信頼してプレーすることがすごく大事。鹿島時代にマルキ(マルキーニョス)と組んでいるときも、どちらかと言えば自分が合わせていたけど、ラファ(ラファエル・シルバ)にもそういう感じでできれば、という気がしている。そうすることでお互いに信頼し合っていけば、もっといいコンビネーションを築けると思うので」
まさに以心伝心。ラファエル・シルバは右足のヒールで、後方を見ることなくパスを返す。走り込んできた興梠がワンタッチで合わせた右足から放たれたシュートが、ゴール右隅へと吸い込まれていく。大量6点目を告げるホイッスルが鳴り響いた直後に、試合も終わった。
昨シーズンに続く決勝トーナメント進出。もっとも、グループリーグの結果と内容は明らかに異なる。昨シーズンは2勝3分け1敗と苦しみながら何とか2位で通過したが、今シーズンは4勝1敗で首位をキープ。最終節を残して2位以内を確定させた。
何よりも得点数が昨シーズンの「6」から、3倍の「18」へとはね上がった。相手が異なるので単純に比較することはできないが、1試合平均で3.6ゴールを奪う破壊力はアジアでも屈指といっていい。
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