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香川真司 8年前

ドルト、奇策でバイエルン撃破。香川に出番なしも…「みんなが信じて」掴んだ決勝進出

現地時間26日に行われたDFBポカール準決勝で、ボルシア・ドルトムントはバイエルン・ミュンヘンを打ち破った。香川真司はベンチスタート。トーマス・トゥヘル監督が絶好調の日本人MFを外し、リスクを冒したことが勝利につながった。そして、チームの全員が最後まで決勝進出を信じたからこそ成しえた勝利だった。(取材・文:本田千尋【ミュンヘン】)

text by 本田千尋 photo by Getty Images

香川に出番なし。見慣れない布陣が王者を混乱に陥れる

ドルトムント
ドルトムントの選手たちは試合後のロッカールームで歓喜の記念撮影【写真:Getty Images】

 王者が崩壊した。2017年4月26日のDFBポカール準決勝、ボルシア・ドルトムントは敵地でバイエルン・ミュンヘンと戦った。

 今季も終わりが近い。香川真司が「そこしかモチベーションがなかった」とも言う、決勝進出を賭けた一発勝負。トーマス・トゥヘル監督は[4-4-2]という奇策でバイエルンに挑んだ。また、そのレアな布陣が採用されたため、香川はベンチスタートとなった。

 序盤のドルトムントは、準決勝の舞台を大事にするように、慎重にプレスを仕掛け、じっくりとボールを回した。指揮官は「我々は最初の20分はとても良かった。とても落ち着いてポゼッションしていたね」と振り返る。とりわけ左SHに入ったラファエウ・ゲレイロが光った。早くも4分に、左サイドからグラウンダーのクロスを入れて、オーバメヤンの決定機を演出。

 ドルトムントの見慣れない[4-4-2]に、バイエルンは戸惑うところもあっただろう。19分、ウスマヌ・デンベレが裏に送ったボールを、ハビ・マルティネスが拾ってバックパス。それを高い位置を取っていたゲレイロがすかさず奪って、そのままシュートを打つ。右のポストに当たったボールを、マルコ・ロイスが押し込んだ。マルティネスとGKスヴェン・ウルライヒの連携ミス。ドルトムントのゲーゲンプレッシングが炸裂した。

 もちろん王者もタダでは終わらない。29分、シャビ・アロンソの右CKから、マルティネスが渾身のヘッドを叩きつける。ミスを帳消しにする同点弾。次第にペースはバイエルンに傾いていった。

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