香川に出番なし。見慣れない布陣が王者を混乱に陥れる
王者が崩壊した。2017年4月26日のDFBポカール準決勝、ボルシア・ドルトムントは敵地でバイエルン・ミュンヘンと戦った。
今季も終わりが近い。香川真司が「そこしかモチベーションがなかった」とも言う、決勝進出を賭けた一発勝負。トーマス・トゥヘル監督は[4-4-2]という奇策でバイエルンに挑んだ。また、そのレアな布陣が採用されたため、香川はベンチスタートとなった。
序盤のドルトムントは、準決勝の舞台を大事にするように、慎重にプレスを仕掛け、じっくりとボールを回した。指揮官は「我々は最初の20分はとても良かった。とても落ち着いてポゼッションしていたね」と振り返る。とりわけ左SHに入ったラファエウ・ゲレイロが光った。早くも4分に、左サイドからグラウンダーのクロスを入れて、オーバメヤンの決定機を演出。
ドルトムントの見慣れない[4-4-2]に、バイエルンは戸惑うところもあっただろう。19分、ウスマヌ・デンベレが裏に送ったボールを、ハビ・マルティネスが拾ってバックパス。それを高い位置を取っていたゲレイロがすかさず奪って、そのままシュートを打つ。右のポストに当たったボールを、マルコ・ロイスが押し込んだ。マルティネスとGKスヴェン・ウルライヒの連携ミス。ドルトムントのゲーゲンプレッシングが炸裂した。
もちろん王者もタダでは終わらない。29分、シャビ・アロンソの右CKから、マルティネスが渾身のヘッドを叩きつける。ミスを帳消しにする同点弾。次第にペースはバイエルンに傾いていった。