欧州では厳しい制裁が下ったことも。日本で同レベルの問題が起これば…
2014年のセルビア対アルバニアの代表戦では、政治的なトラブルになること必至の大アルバニア主義の旗がラジコンヘリによってピッチに運ばれた。
これによりスタジアムは騒乱状態になり試合途中で没収試合となった。最終的にはスポーツ仲裁裁判所が「アルバニアの3-0勝利」を決定、セルビアは勝ち点3の没収と2試合の無観客試合の制裁を科せられた。なお、両国とも10万ユーロの罰金が科された。
このような騒動が、旭日旗が原因で日本代表やクラブチームの試合で起こるならば、その責任は野放しにしていた主催者とサポーターのものとされても致し方ないかもしれない。筆者の生まれたのは海上自衛隊の基地の町で、毎日護衛艦にたなびく旭日旗を子供のころは見てきた。それからも意匠としての旭日旗には親しんできた。
しかし、グローバルな社会となり海外の人たちもやってきて隣人にたくさんのアジアの人たちがいる中で自分たちの感覚や理屈だけが正しいというわけにはいかないのである。多くのサッカーサポーターは日々ワールドサッカーに触れてきている。その考えを共鳴していただけると信じたい。
(なおこの旭日旗の問題や先日に起こったガンバ大阪サポのナチス旗の問題などについては、アジア各地や欧州の実情などふくめて、すでに拙著『サッカーと愛国』で詳細に書かせていただきました。ぜひともご参照ください。全国の図書館でも読むことができます)
(文:清義明)
【了】