バックパスのミスがゴールにつながったCS。LINEの通知が大変なことに
――2015年、Jリーグチャンピオンシップ準決勝の浦和レッズ戦。丹羽選手のバックパスが発端となり、ポストに当たってゴールにつながるびっくり仰天のプレーがありましたよね。この人だから、あれが世に生まれたのではないかという気がしてきました。
「試合後、僕がメディアの前で最初に言ったのは『サッカーの神様いましたね』という言葉。あの発言の意味を説明させてもらうと、これまで僕はサッカーを一度たりともバカにしたことがないんです。サッカーが大好きで、ありったけの敬意を捧げています。サッカーが自分の人生を変えてくれて、いろんな人に出会わせてくれた。
ふだんは冗談ばかり言ってますが、サッカーに対しては真摯に向き合ってきた。ボールの軌道が10センチ内側だったらオウンゴールです。少しだけ外側だったから、ゴールにつながった。つくづく、思いましたね。サッカーの神様は見ていてくれたんやと」
――テレビの前で爆笑しましたよ。チームメイトからは盛大にいじられたでしょう。
「チームメイトどころか、誰からもいじられ放題。LINEが初の300件超えですよ。三冠を獲った年でも100件と少しだったのに。ロッカールームで着替えてたら、スマホがどえらいことになってて、返信がほんま大変でした」
――丹羽選手の人格形成に関与したものに興味があります。主たるひとつは生育環境でしょうね。
「親の教育と、あとは出会った人々ですね。僕は人が好きなんです。多方面のジャンルの方と知り合うのが好き。日本社会全体からすれば、サッカーはほんの小さな世界。一歩外に踏み出せば、野球、ラグビー、経営者、飲食業、多種多様な世界がある。もし自分がその世界のノウハウを得られれば、結果としてサッカーにつながります」
――友だちは多い?
「おそらくどのサッカー選手より多いのでは。他業種の人たちがほとんどです」
――自分の知らない世界を覗いてみたい?
「それが楽しいんですよ」
――お寿司屋さんで大将と話しているのが目に浮かびます。
「大好きですね。カウンターに座って、マンツーマンで話し込むことがよくあります。ひとり焼肉も平気。店員さんと仲よくなって、こういう考え方があるんやなと勉強になる」
――いかにも人好きしそう。好奇心旺盛。
「塊ですね。僕は自分のことをマグロやと思ってるんで」
――止まったら死ぬ。
「はい、泳ぎ続けないとダメ」