全てのロマニスタに愛された男。昨季の契約延長にはイタリア国民が歓喜
ただ、かといって他のところに移籍してプレーする選択肢もどうやら考えていないようなのだ。「家族がローマ以外のところに移住するのを嫌がっている」と地元紙では報道されているが、他ならぬ夫人でTVタレントのイラリー・ブラージがゲスト出演したトークショーで明言している。
「海外に行くかどうかは彼が判断することで、私が考えることじゃない。ただ皆ローマではとてもよく暮らせているから、最終的には残ると思うわ」
なおイラリーは夫について「70歳までやりなさいよと言いたいところだけど、彼は40歳になったんだからいい頃合いでしょ?」ともコメントしていた。
一方、トッティが幹部になるということも、その役職も含めて明確にはなっていない。強化責任者など役職次第ではチームに帯同することになるが、一説には影響力の強い彼がチームに引き続きついてくることに、スパレッティ監督が難色を示しているという話もある。
良くも悪くもトッティの存在が大きすぎるだけに、現実的なクラブの運営と照らし合わせると難しい面は色々と出てくるだろう。ただ昨季彼が契約を延長し、ローマでプレーを続ける可能性が出てきた時、ロマニスタのみならずイタリアのサッカーファンみんなが喜んでいたのは事実だ。
「トッティの引退は葬式も同じ」と同じくローマの生え抜きであるアレッサンドロ・フロレンツィも言っていたが、果たして本人も周囲も、どうやってその時に備えるのだろうか。
(文:神尾光臣【ミラノ】)
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