絶不調に怪我と病気が重なり…
昨季のハーフナー・マイクは16ゴールをマークしただけに、今季32節を終えたところで8ゴールという数字は物足りなく感じるかもしれない。
しかし、1026分間ノーゴールという絶不調。12月上旬にはふくらはぎを痛めた上、その後、病気で2週間の入院を余儀なくされ2ヶ月間の戦線離脱——。というどん底を経験しただけに、5試合連続ゴールを決めて最下位だったチームを12位に浮上させ、1部残留の立役者の一人となったことは、29歳のベテランストライカーをより深みのあるフットボーラーにしただろう。
オランダにおけるハーフナーは、監督に恵まれた幸せな男だ。フィテッセ時代のフレッド・ルッテン監督は、ハーフナーの能力を高く評価して特別なプロジェクトを作り、左ウィングやMFとして出場機会を与えながら、ストライカーコーチとの練習を積ませ、さらにフィジカル強化に力を入れた。
ADOデンハーグではアルフォンソ・フルーネンダイク監督との邂逅があった。ハーフナーが復帰したのは、まだゼリコ・ペトロビッチがチームを率いていた2月4日のフィテッセ戦の後半25分から。その直後にペトロビッチからチームを引き継いだフルーネンダイクは、スタメン復帰に焦るハーフナーを3月いっぱいまでずっと後半から起用し続けた。
2月24日のトゥエンテ戦で後半26分に投入されたハーフナーは当時、こう語っていた。
「個人的には、早くトップチームでスタメンから出られるコンディションに戻したい。セカンドチームでは45分、70分、この前は85分プレーして、徐々に試合の体力も戻ってきてます。この前の紅白戦で(控え組に回り)自分では意識してなくても『はあ??そろそろ俺だろ!?』っていう感じが、やっぱり自然と顔に出ちゃうんですよね。
それで、この前ちょっと監督に呼ばれ『気持ちは分かるが、まだコンディションから見て、最初から試合に出られる状態じゃないと思う』とハッキリ言われました。こんなに点を獲ってないのも人生でも初めてなので、早く1点獲って、またいっぱいゴールを獲りたいです」