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CL4戦連続弾の大爆発、モナコの18歳FWムバッペとは何者か。仏史上屈指の才能、超ド級の期待感

text by 小川由紀子 photo by Getty Images

「あの18歳はとんでもない」(酒井宏樹)

“GOOD”なストライカーと”GREAT”なストライカーの違いは、「決定力」だけでなく際どい場面で得点できる”クラッチプレーヤー”であるかということ。得点を決めるというのは相当難しくどんなゴールにも価値があるが、4?0で大量リードしている試合でのダメ押しの5点目と、勝敗を決定づける得点とでは、やはり重みが違う。

 たとえばFCバルセロナのセルジ・ロベルトがラウンド16 のPSG戦で試合終了直前に決めた決勝点や、14年W杯欧州予選プレーオフのポルトガル対スウェーデン戦でのロナウドのゴールなどがそうだ。そのゴールを決めた瞬間の逼迫した状況や責任の大きさには、別レベルの違いがある。

 ムバッペには、その「クラッチプレーヤー」の素質を感じる。今季、カップ戦も合わせて3回モナコと対戦したマルセイユのDF酒井宏樹も(偶然にも3試合ともモナコに4点とられている!)、「あの18歳はとんでもない。彼がまだ18歳だなんて信じられない。相当恐ろしい選手です」と圧倒されていた。

 当然ながらフランスでムバッペは注目の的だが、エキスパート達は彼をどう評価しているのか? 鋭い洞察力で同業者たちからも絶大な信頼を得ている、『ル・ドーフィネ・リベレ』紙のベテラン記者、ガブリエル・ガベに聞いてみた。

「彼は非常にレアな選手だ」

 開口一番に出たのがこの言葉。

「18歳にしてあの成熟度は普通じゃない。若いうちから目立つ活躍をした選手を何人も見てきた。ティエリ・アンリやメネーズ、最近ではコマンやマルシャル。しかしムバッペは彼らの誰よりも上をいっている。アンリよりもかって? そう思えるね」

 ムバッペは、出身地であるパリ郊外の地元クラブを経て国立養成所クレールフォンテーヌに入り、その後15歳になる年に地元から遠く離れたASモナコの育成所にスカウトされた。

「モナコの育成所の指導も良かったのだろうが、あの落ち着き、成熟度はおそらく育った環境や両親の教育、そして生まれついてのものだろう」とガベ記者は推測する。

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