サイクルの終焉に抵抗。絶対的存在感を示したメッシ
それでも、85分にはハメス・ロドリゲスがゴールを決めて2-2。バルサにとって、リーグ優勝のためには、この試合では勝利が絶対条件。有利な展開での痛恨の同点ゴールとあって、やはりルイス・エンリケ監督のもとでのサイクルは終わりを迎えていたと思われた。
しかし、試合終了間際、サイクルの終焉への抵抗を見せたのは、やはりメッシだった。セルジ・ロベルトのドリブル突破からアンドレ・ゴメスがつなぎ、左サイドのジョルディ・アルバが出したパスをメッシが合わせて3-2。逆転優勝への望みをつなぐ大きなゴールとなった。
ルイス・エンリケ監督は、3月1日に今シーズン限りでの退任を表明している。バルセロナもまた、監督を代えることで新たなサイクルを生むこととなる。
ただ、バルサは前述した他のチームとは異なり、現有戦力が強大すぎるために選手の入れ替えという方法を採ることができないともいえる。メッシ、ブスケツ、イニエスタといった選手の代わりとなるような選手は世界中を探しても存在しない。
チームに訪れたサイクルの終焉をピッチ上のプレーで跳ね返す力を持つ選手はメッシ以外には存在しないはずだ。
(文:海老沢純一)
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