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香川真司 8年前

香川、怒涛の勢いでドルトの柱に。類い稀な”バランス感覚”で掴んだ信頼…過密日程でも先発へ

text by 本田千尋 photo by Getty Images

香川はボルシアMG戦先発か。優れた「バランス」で信頼掴む

 こうした観点から照らし合わせてみれば、香川がボルシアMG戦で先発となっても、何ら不思議ではない。チームバランスを回復させるという意味で今季の香川は、例え出番に恵まれない時であっても、選手同士の距離感やポジショニングに気を配ってきた。新戦力の融合というテーマに始まり、常にチーム全体の「バランス」を考えてきた。

 ピッチ上でも“8番”として自陣から敵陣まで広く動く様は、気付けばゴンサロ・カストロやラファエウ・ゲレイロを置いて頭一つ抜け、中心的な役割を果たすようになっている。苦しんだ前半戦とは打って変わり、今季の終盤にかけて怒涛の追い上げを見せている。

 12日に行われたモナコとの1stレグから先発フル出場が続いている状況だが、そもそも8日のバイエルン戦では、遠征に帯同せず1試合丸ごと休んでいる。そう考えれば、ボルシアMG戦で先発でも無理のきかない状況ではないだろう。DFBポカール準決勝のバイエルン戦が控えているため、ローテーションの可能性もあるが、土曜日の試合を終えて中3日ある。タイトな日程ではあるが、コンディションの調整は可能なのではないか。

 香川とすれば、ボルシアMG戦ではチームのバランスを上手くコントロールしつつ、ゴール前では決定的な仕事を遂げることで、勝ち点の獲得に貢献したいところだ。直近のリーグ戦を勝利で終えることで、精神的にもポジティブな状態でカップ戦の大一番に力を注げるはずだ。

(取材・文:本田千尋【ドルトムント】)

【了】

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