爆発事件の被害に遭ったドルトムントのチームバス【写真:Getty Images】
日本代表MF香川真司が所属するドルトムントのチームバスが爆発事件の被害に遭った事件で、ドイツ検察官が現地時間21日、ドイツとの二重国籍を持つ28歳のロシア人男性を拘束したと発表した。独紙『ビルト』やロシア通信社『TASS』などが報じた。
現地時間11日、ホームで行われるチャンピオンズリーグ準々決勝1stレグのモナコ戦が行われる直前、ホテルの駐車場から出発する選手らを乗せたチームバスの付近で爆発が発生。この事件でスペイン人DFマルク・バルトラが手首を骨折するなどの負傷を負い、試合は翌日に延期された。
『ビルト紙』は「悪魔のような計画が明らかに。容疑者は、万が一ドルトムントの選手が死亡したに株式市場で数百万ユーロの利益を得ていたのだろうか?」と報道。テュービンゲン当局は、20人の殺人容疑でも調査を開始したとも伝えられている。
容疑者はドルトムントの選手たちと同じホテルに滞在し、窓際の部屋を要求。ホテル内から、リモコンを使って爆発物を遠隔操作したという。
報道では、容疑者は事件直前にホテル内で7万8000ユーロ(約913万円)のドルトムント株式を購入していたが、これによって最高で390万ユーロ(約4億5630万円)の利益を得られただろうとしている。
なお、爆発事件の直後にはドルトムント株式が5.738ユーロから5.421ユーロに下落しているが、チームに死傷者が出た場合、さらに下落していた可能性があると伝えてため、株価操作を狙った犯行と考えられる。
容疑者はすでに3月の時点で4月9日~13日と4月16日~20日の宿泊を予約していた。これは、ドルトムントがチャンピオンズリーグでどちらの日程がホームになっても犯行を実行できるように計画されたためと考えられる。7日から9日にも同ホテルに宿泊し、爆発物を隠せる場所を確認してから犯行に及んだようだ。
さらに、容疑者は2015年に産業技術学校で賞を受賞した経歴があることから、リモート式爆弾を構築する知識や技術を持っていた可能性があるとされている。警察は2人のロシア人に共犯の容疑があるとして行方を追っている。
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