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川島永嗣が語る「競争」という選択。あえて冒したリスク、仏リーグデビューという一歩

text by 元川悦子 photo by Getty Images

欧州でプレーするなかで感じていた「超えられない何か」

メスのフィリップ・ヒンシュベルガー監督
メスのフィリップ・ヒンシュベルガー監督【写真:Getty Images】

 このリーグ戦デビューまでの9ヶ月間は本当に長かった。2016年1月に赴いたスコットランド1部(当時)のダンディー・ユナイテッドが2部降格を強いられた後、さらなる飛躍を期して門を叩いたのがメスだった。

「メスにはもともとアカデミー出身のトマ・ディディヨンとダヴィ・オーバーハウザーの2人がいて、彼らの競争を煽れる経験豊富な選手がほしいということで、僕に白羽の矢が立ったんです。報道などでは『3番手』という扱いをされていたけど、監督からは『一番いい選手が出る』と言われていたし、『競争できる相手を探していた』という言葉を受けて、オープンな競争があると信じてここまで来ました。

 ベルギーのリールセ、スタンダール・リエージュ、ダンディーUと6年間欧州でやってきたけど、これまでは自分が一番手のGKとして契約し、試合にも出てきました。その中で『超えられない何か』があると感じていたし、その壁を打ち破っていくにはあえてリスクを冒すしかないという強い思いがあった。

 スタンダールのラストシーズンから3年間は試合に出られなかったり、クラブがなかったりと紆余曲折の連続でしたけど、その時その時で大きなものを学ばせてもらってきた。全てがかけがえのない経験だと思っています。

 厳しい状況の中でも支えてくれた人、信じてくれた人のために、自分がやってきたことをそろそろ形にすべき時期に来ている。PSG戦がその大きな一歩になればいい。これはまだ始まりに過ぎないと認識しています」と彼は強い意志を口にした。

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