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川島永嗣が語る「競争」という選択。あえて冒したリスク、仏リーグデビューという一歩

text by 元川悦子 photo by Getty Images

「フランスに来た意味を実感しました」

 川島も「2010年夏に欧州に来てからEL(UEFAヨーロッパリーグ)にも出ましたけど、これだけのレベルの相手は初めて。欧州5大リーグでプレーするというのはずっと思い描いてきたことだけど、フランスに来た意味を実感しました」と感慨深かった様子だ。

 そのPSG戦はメスにとって厳しい試合となった。PSGは前半33分にマックスウェルの左クロスにカバーニが飛び込んで打点の高いヘッドを披露。いきなり先制点を叩き込む。その3分後には、再びマックスウェルからのスルーパスにマテュイディが反応。DF2人を置き去りにして2点目を決めた。

 その後、メスもMFヤン・ジュフルの直接FKなどで一時は2-2の同点に追いついたが、後半ロスタイムにPSGが底力を見せつける。右に開いたMFハビエル・パストーレのクロスにまたもマテュイディが飛び込んでフリーでヘッド。これがゴール右隅に吸い込まれ、川島はあと一歩のところで勝ち点1を逃すという苦い結末を強いられた。

「同点で終わっていたら、こんなに最高なシナリオはなかった。完璧なシナリオじゃないから美しい」と本人は試合後に更新したブログで前向きなコメントを残したが、2点目に関してはもう少し対処できる部分があったのではないかと考えているという。

「1点目と3点目はマークがガラ空きになっていたので、GKとしてはどうにもならなかったですけど、2点目に関してはもう少し何とかなかったと思います。でもマテュイディのシュートはうまかった。3点目もパストーレはただ中に入れるだけじゃなくてギリギリのところにクロスを蹴ってきた。あの精度の高さが世界トップなんだと再認識しました。

 彼らのゲーム運びの冷静さとしたたかさも素晴らしかったですね。こっちが引いて守っていた前半も焦らずボールを回してスキを狙ってきていた。彼らの駆け引きのうまさ、サッカーインテリジェンスの高さを実感しました」と川島はしみじみ語っていた。

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