チェルシーが主将テリーの退団を発表。過去には問題発言もあったが…
2005年CL準々決勝のバイエルン戦第1レグ、スタンフォード・ブリッジのピッチに入場する両軍のうちチェルシーの主将だけがエスコートキッズを連れていた。両軍採用を前提とするUEFA規定上は、あってはならないシーン。ジョン・テリーは、バイエルン側がキッズを連れて来なかったことに落胆する自軍側キッズを思いやり、敢えて規定に背いて少年の手を引いたのだった。
テリーとは、“チェルシー・ファミリー”のためであれば、その仲間が小学生でも力を尽くそうとする男。ファンが慕わないはずがない。4月17日に発表された今季限りでの退団は、ついに訪れてしまった哀しい別れの時だ。
ことイングランドのサッカー界は、クラブへの党派心ありきの世界。愛は盲目とも言うべき世界だ。テリーを見る外部の目線はファンも承知している。
911テロ直後のアメリカ人旅行客に対する無礼行為事件、かつてチームメイトだったウェイン・ブリッジの元ガールフレンドとの不倫騒動、アントン・ファーディナンド(当時QPR)に対する人種差別発言問題など、一般レベルでは「背徳」「不貞」「非道」といった言葉で彼の人間性を疑われても仕方がない。それでもファンにとっては、有名な横断幕で謳われる『キャプテン、リーダー、レジェンド』に他ならない。