ドルト、序盤に2失点。選手も「最初の1秒から準備できていなかった」と反省
希望は見当たらなかった。2017年4月19日のチャンピオンズリーグ準々決勝2ndレグ。ボルシア・ドルトムントはアウェイでASモナコと戦った。
あまりに痛い序盤の失点だった。3分、モナコの左SBバンジャマン・メンディにスルスルと中央突破を許す。メンディがミドルシュートを打つ。GKロマン・ビュルキが弾いたボールを、キリヤン・ムバッペに抜け目なく押し込まれる。これで2戦合計のスコアは2-4。ドルトムントが準決勝に進出するためには、3点が必要となった。
ビュルキは「僕らは最初の1秒から準備できていなかった」と振り返る。
「おそらく僕らはシュートに意識を向け過ぎた。モナコは早い時間帯でのリードで上昇気流に乗ったね」
ドルトムントの正GKの言葉を解釈すれば、相手にシュートを打たせて失点しないことを意識するあまり、メンディに単独でのドリブル突破を許したということになるのだろうか。ピシュチェクが目の前のメンディに飛び込まなかったのも、背後のムバッペにボールが渡り、シュートを打たれることを警戒し過ぎていたからなのだろう。
トーマス・トゥヘル監督も口を揃えたように「我々は最初の1秒から多くのミスが始まった」と言う。
「技術的なミス、ポジショニングのミス、パス交換におけるミス――。これらは完全に試合を通して一貫していた」
こうした指揮官の手厳しい言葉も、2失点目に繋がった17分のカウンターの場面を振り返れば、納得せざるを得ない。いとも簡単に左サイドへボールを繋がれ、最後はルマルのアーリークロスから、ファルカオにほとんどフリーでヘディングを許す。
さらにリードは開いて、2戦合計のスコアは2-5。逆転には4点が必要な状況に追い込まれた。おそらくバイエルンとも互角に戦えるであろうモナコとの力関係を考えれば、それは不可能だった。この時点で、決着は付いてしまった。